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車とお金のきほん

車の生涯コスト、
いくらになる?

車は「買った値段」より「持ち続けるコスト」のほうが大きくなりがち。

乗り方によっては、生涯で数千万円規模になることもあります。

一方で持ち方の選択肢は増えています。自分の使い方から逆算してみましょう。

生涯コストを試算する
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nash(30代エンジニア)|結婚を機にお金の勉強を始めた、いち生活者の目線でまとめています。

まず、車の生涯コストを試算してみよう

車のお金は「車両価格」だけで語られがちですが、実際は買い替えのたびの車両代+毎年の維持費の積み重ねです。しかも維持費は税金・車検・保険・駐車場・燃料と種類が多く、合計を意識しにくいのが厄介なところ。

そこでまず、自分の乗り方でざっくり合計を出してみましょう。スライダーを動かすと、これから車にかかるお金の総額がその場で分かります。

車の生涯コストシミュレーション
車両価格と買い替えのペース、これから車に乗る年数を入れると、生涯でかかるお金の目安が分かります。
車両価格(1台あたり) 250万円
100万円600万円
買い替えの周期 9年ごと
5年15年
車に乗る年数(今後) 40年
10年50年
年間の維持費 30万円/年
10万円60万円
維持費の目安:自動車税・車検・任意保険・駐車場・燃料を合わせると年30万円前後になることが多いと言われます。駐車場代の有無など地域差が大きいので、自分の状況に合わせて調整してください。
これから車にかかるお金(40年間・目安)
約2,450万円
月あたりに直すと 約5.1万円/月
車両代の合計(5台分) 約1,250万円
維持費の合計 約1,200万円
維持費の合計が車両代の合計に匹敵する規模です。車のコストは「買った値段」だけでなく「持ち続ける費用」で決まる部分が大きいことが分かります。
※ 前提:購入台数=乗る年数÷買い替え周期(切り上げ)。生涯コスト=台数×車両価格+年間維持費×年数。下取り・売却額、ローン金利、車両価格や維持費の変動は簡略化のため含めていない概算です。実際の金額は車種・地域・使い方で大きく変わります。
※ 車を持つ・持たないは教育費や老後資金とも絡み合います。家計全体への影響は、ページ下部の総合シミュレーター「おかね」で通しで確かめられます。

持ち方は4つある

ひと昔前は「車=買うもの」でしたが、いまは持ち方そのものを選べます。どれが得かは乗る頻度と期間でほぼ決まるので、まず選択肢を並べて眺めてみましょう。

① 買う(現金・ローン)
長く乗るほど割安。使い方も自由
所有権が自分にあるので、改造も長距離も自由。1台に長く乗るほど1年あたりのコストは下がります。まとまった初期費用(またはローンの金利)が必要なのが入り口のハードルです。
② 残価設定ローン
月額は軽いが、総額と制約に注意
数年後の下取り想定額(残価)を差し引いて返済するため月額は軽くなります。ただし残価部分にも金利がかかる、走行距離や車の状態に条件がある、乗り続けるなら残価の精算が必要——など、月額の軽さと引き換えの制約は要確認です。
③ カーリース
税金・車検込みの定額で管理が楽
税金や車検代を含めた月額定額で、家計管理はいちばん楽。一方で中途解約に違約金がかかることが多く、走行距離制限や原状回復の条件もあります。契約期間ぶん乗り切る前提で総額を比べるのがポイントです。
④ カーシェア・レンタカー
乗る頻度が低いなら最有力
使った時間・日数だけ払う方式。駐車場・税金・車検・保険がすべて不要になるため、たまにしか乗らない人には強力です。逆に毎日使う人には割高で、「予約が取れない」「近くにステーションがない」地域では選びにくい選択肢です。
頻度の目安
よく言われる分かれ目は「週1回乗るかどうか」。週1回未満ならシェア・レンタルが有利になりやすく、通勤や送迎で毎日使うなら所有が基本線です。ただしこれは駐車場代など維持費の水準によって動く目安で、駐車場が安い(または不要な)地域では所有の損益分岐はもっと低頻度側に寄ります。上のシミュレーションの維持費を自分の地域の水準にして確かめてみてください。

維持費の内訳と削りどころ

車を持つと決めた人も、維持費の中身を知っておくと削れる余地が見えてきます。金額はいずれも一般的な目安で、車種や地域で大きく変わります。

1. 任意保険 年数万〜十数万円が目安
維持費の中でいちばん見直し効果が出やすい項目。同じ補償内容でも会社によって保険料に差があり、年齢条件・等級・運転者の範囲・車両保険の有無で大きく変わります。数年前に入ったまま放置しているなら、一括見積もりで現在の相場を確かめる価値があります。補償を削りすぎない範囲での最適化が基本です。
2. 駐車場 月0円〜数万円と地域差が最大
戸建てで0円の人もいれば、都市部で月2〜3万円かかる人もいる、地域差がもっとも大きい費目。ここが高い地域ほどシェア系の相対的な魅力が増します。駐車場代は住まい選びとセットで決まる固定費なので、引っ越しや住宅購入を考えるときは住まいの記事と合わせて考えるのがおすすめです。
3. 車検・整備 2年ごとに数万〜十数万円が目安
法定費用(重量税・自賠責など)はどこで受けても同じで、差が出るのは整備料金の部分。ディーラー・整備工場・車検専門店で価格帯が異なります。安さだけで選ぶと必要な整備が漏れることもあるので、「どこまで整備を任せたいか」で選ぶのが現実的です。日常のメンテナンス(タイヤ・オイル)をこまめにやるほうが結果的に安くつく、という側面もあります。
4. 税金・燃料——車種選びで決まる部分 軽とコンパクトで年数万円の差
毎年の自動車税(種別割)は排気量で決まり、コンパクトカーで年3万円前後、軽自動車なら1万円強(2026年度・2019年10月以降に登録した自家用車の場合の目安)。燃費の差も年間の走行距離が多いほど効いてきます。EVは燃料費や税の優遇で維持費が下がる一方、車両価格や充電環境の初期費用があるため、総額での比較が必要です。車体を小さく・軽くするほど維持費全体が下がる、という大枠を知っておくと車種選びの軸になります。
保険・駐車場・税金はどれも毎月・毎年自動でかかる固定費です。車以外も含めた固定費全体の見直し方は固定費の記事にまとめています。

車費を、人生の計画に乗せる

生涯数千万円規模になり得る車費は、教育費・住宅費と並ぶ人生の大きな支出です。だからこそ「車単体で得か損か」より、家計全体に収まるかで見るのが本質的です。

ページ下部の総合シミュレーター「おかね」には、車の購入価格と買い替え周期の入力があります。車を持つ場合と持たない場合、車両価格を変えた場合で、貯蓄のタイムラインがどう変わるかを通しで試せます。この記事のシミュレーションで出た「自分の数字」を、そのまま入れてみてください。

よくある質問

新車と中古、どっちが得?
一概には言えません。車の価値は新車から数年で大きく下がる傾向があるため、「値下がり後の中古を買って長く乗る」のは1台あたりのコストを抑えやすい買い方です。一方で中古は整備・修理費がかさむ可能性があり、保証や最新の安全装備を重視するなら新車に分があります。判断軸は「何年乗るつもりか」と「故障リスクをどこまで許容できるか」。どちらを選ぶにしても、上のシミュレーションの車両価格と買い替え周期を変えて総額の違いを見ておくと、感覚でなく金額で比べられます。
ローンで買うのはあり?
「なし」ではありませんが、金利のぶん総額は現金より高くなります。ポイントは手元資金とのバランスです。現金一括にこだわって生活防衛費(生活費の3〜6か月分)まで使い切ってしまうのは本末転倒で、その場合はローンを使って手元資金を残すほうが安全なこともあります。逆に、金利を払ってでも買いたい車なのかは一度立ち止まって考えたいところ。ローンの金利水準は借り先によって差が大きいので、提示された1社だけで決めず比較するのが基本です。手元に残すべき額の考え方は生活防衛費の記事で試算できます。
カーリースのデメリットは?
代表的なのは3つ。①中途解約に違約金がかかる契約が多く、転勤や家族構成の変化に弱いこと。②走行距離の上限や、返却時の原状回復(傷・改造の扱い)に条件があること。③契約満了まで乗り切った場合の総額が、同じ車を買って乗り続けた場合より高くなることがあること。逆に、税金・車検込みの定額で家計管理が楽、初期費用がほとんど不要という利点は本物です。「月額の軽さ」でなく「契約期間トータルの総額」と「途中でやめられるか」で比べるのが失敗しないコツです。
田舎住まいで車なしは無理では?
その通りで、公共交通が細い地域では車は贅沢品ではなく生活インフラです。この記事も「車を手放そう」という話ではありません。必需品だからこそ、工夫の余地は「持つか持たないか」ではなく「どう持つか」に移ります。具体的には、2台目を軽やシェアにできないか、車両価格を1ランク抑えて長く乗れないか、任意保険を見直せないか——といった最適化です。車が必須の家計では車費が固定費の大きな柱になるぶん、見直したときの効果も大きくなります。
EVにすると安くなる?
「走らせるコスト」は下がりやすい一方、「持つまでのコスト」は高くなりがち、というのが現状の大枠です。電気代はガソリン代より安く済むことが多く、税の優遇や補助金の制度もあります(内容は年度や自治体で変わるため、購入時点での確認が必要です)。一方で車両価格は同クラスのガソリン車より高い傾向があり、自宅充電の設備費や、集合住宅では充電環境そのものが課題になることも。年間の走行距離が多い人ほど燃料費の差で回収しやすくなるので、「自分は年に何km走るか」を起点に総額で比べるのがおすすめです。

まとめ

  • 車のコストは車両価格より「持ち続ける費用」が主役。生涯では数千万円規模になり得る。
  • 持ち方は買う・残価設定・リース・シェアの4つ。乗る頻度と期間から逆算して選ぶ。
  • 車が必需品の地域でも、保険・車種・持ち方の最適化で削れる余地はある。家計全体で確かめよう。
自分の生涯コストを試算する
試算した車費が家計全体でどう効くかは、ページ下部の総合シミュレーター「おかね」へ。車の購入価格・買い替え周期を入れて、教育費や老後資金への影響まで通しで確かめられます。
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