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住まいの保険のきほん

火災保険と地震保険、
入り方で損してない?

火災保険は「火事の保険」ではなく、住まいの総合保険です。

地震・噴火・津波による損害は、地震保険でしかカバーされません

入りすぎも入らなすぎも起きやすい分野。まず現状チェックから。

補償の過不足をチェックする
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nash(30代エンジニア)|結婚を機にお金の勉強を始めた、いち生活者の目線でまとめています。

あなたの補償、過不足ない?7項目チェック

住まいの保険は「契約したら終わり」になりやすく、中身を把握しているかどうかで過不足の起きやすさが変わります。当てはまるものにチェックを入れてみてください。

補償の過不足チェック
7つの質問。チェックした数で、いまの契約をどこまで把握できているかの目安が出ます。
当てはまった数 0 / 7
見直しの余地大。まず証券を1枚出してみよう
契約の中身がブラックボックスになっている状態かも。責める必要はありません——住まいの保険は多くの人がこの状態です。まずは保険証券(または契約者ページ)を開いて、「水災」「地震保険」「保険金額」の3か所だけ眺めるところから。この記事を読み進めると、それぞれの見方が分かります。
※ この診断はあくまで目安です。チェックの数だけで契約の良し悪しが決まるわけではありません。賃貸・持ち家いずれかの項目は、当てはまる方だけで考えてください。

火災保険は“住まいの総合保険”

名前のせいで「火事のときだけの保険」と思われがちですが、実際の火災保険は風災・雹災・水漏れ・盗難など、住まいのトラブル全般を広くカバーする総合保険です。何が入っていて何が入っていないかは契約ごとに違うので、まず補償の全体像をつかみましょう。

火災・落雷・風災・雹災
基本の補償
火事だけでなく、台風で屋根が飛んだ、雹で窓が割れた、落雷で家電が壊れた——こうした損害も対象になるのが一般的。実際の支払いでは風災などの請求が多い年もあります。
水災(豪雨・洪水・土砂)
オプションのことが多い
豪雨による浸水や土砂崩れの補償は、外せる(外れている)契約が少なくありません。付ける・外すは自治体のハザードマップとセットで判断するのが基本です。
盗難・水漏れ・家財
対象にできる範囲
空き巣による損害や、給排水設備の事故による水漏れも対象にできます。建物だけでなく家財(家具・家電・衣類)も別枠で保険金額を設定して備えられます。

保険料を左右するのは、主に次の3つの要素。同じ補償でも、この組み合わせで金額は大きく変わります。

① 建物の構造
マンション(コンクリート造)か、木造戸建てか。燃えにくく壊れにくい構造ほど保険料は安くなる傾向。
② 地域
災害リスクは地域差が大きい。2024年10月以降の改定では、水災の保険料が市区町村ごとに5区分に細分化されました。
③ 補償範囲と免責
水災を付けるか、免責金額(自己負担)をいくらにするか。補償を広く・自己負担を小さくするほど保険料は上がる。
保険料は上がり基調
自然災害の増加と修理費の高騰を受けて、火災保険の保険料の目安となる参考純率は2023年に全国平均で13.0%引き上げが届け出られ(過去最大)、2024年10月以降、各社の保険料改定に反映されています。更新のお知らせが来たら、金額だけでなく補償内容も一緒に見直すチャンスです。

地震保険のきほん

大事な前提から。地震・噴火・津波を原因とする損害は、火災保険では原則補償されません。地震で起きた火災も同じです。この部分をカバーするのが地震保険で、国の関与する少し特別な制度になっています。

火災保険とセットでのみ加入できる
地震保険は単独では契約できず、火災保険に付帯する形で加入します。火災保険の途中からでも付けられるのが一般的なので、「もう遅い」ということはありません。
保険金額は火災保険の30〜50%
設定できるのは火災保険の保険金額の30〜50%の範囲で、建物5,000万円・家財1,000万円が上限。家を建て直す全額ではなく、当面の生活を立て直すための資金という設計です。
政府と民間の共同運営
巨大地震の損害を政府が再保険で支える公共性の高い制度のため、同じ建物・同じ条件なら保険料はどの保険会社でも同一水準。差が出るのは都道府県と建物の構造(燃えにくさ・壊れにくさ)です。
地震保険料控除で税負担が軽くなる
支払った地震保険料は所得控除の対象。所得税で最高5万円、住民税で最高2万5千円が所得から差し引かれ、税負担が少し軽くなります。年末調整や確定申告で申請します。
「全額は戻らない」を知ったうえで判断する:地震保険は損害の程度(全損・大半損・小半損・一部損)に応じて保険金額の一定割合が支払われる仕組みで、被害の実額をそのまま補償するものではありません。だからこそ「入る・入らない」は、地域の地震リスクと、被災後を支えられる貯蓄があるかで考えるのが現実的です。

賃貸と持ち家で、入り方はこう違う

同じ「火災保険」でも、賃貸と持ち家では守る対象がまったく違います。そして、どちらにも「契約したまま放置」になりやすい典型パターンがあります。

賃貸の場合
建物は大家さんの持ち物なので、守るのは自分の家財と、火事や水漏れで部屋に損害を与えたときに大家さんへの原状回復責任をカバーする借家人賠償責任保険。この2つが本体です。

ありがちな放置:入居時に不動産会社ですすめられた保険に、内容を見ないまま更新し続けているケース。家財の保険金額が一人暮らしの実態より大きすぎる、といった過剰も起きやすいところです。
持ち家の場合
守るのは建物と家財の両方。建物の保険金額が「いま同じ家を建て直せる金額(再調達価額)」ベースになっているかが重要ポイントです。地震保険を付けるかどうかの判断も、持ち家では影響が大きくなります。

ありがちな放置住宅ローンの契約と同時に加入したまま、一度も見直していないケース。補償内容が家族構成やリフォーム後の実態と合っていないことがあります。
これから住まいを選ぶ人は、保険料も含めた住居費の全体で比べるのがおすすめ。賃貸と持ち家の総コスト比較はこちらの記事で試算できます。

よくある質問

火災保険・地震保険の保険料の相場は?
正直にお伝えすると、「相場は○円」と言える保険ではありません。建物の構造(マンションか木造か)、所在地、補償範囲、免責金額の組み合わせで、同じ広さの家でも保険料は数倍変わり得ます。特に地震保険は都道府県と構造による差が大きい制度です。目安を知りたいときは、平均額を調べるより、自分の条件でいくつかの会社の見積もりを取って比べるほうが確実です。その際は保険料だけでなく、水災の有無など補償の中身をそろえて比較しましょう。
地震保険は入るべき?
全員に「入るべき」とは言えません。判断軸は2つあります。1つは住んでいる地域と建物の地震リスク、もう1つは被災後の生活再建を貯蓄でどこまで支えられるか、です。貯蓄が十分にあり、建物の耐震性が高い場合は、保険料と天秤にかけて付けない判断もあり得ます。逆に、住宅ローン返済中で貯蓄が薄い持ち家世帯は、被災後もローンが残る点を考えると検討の優先度が高くなります。大事なのは「何となく入らない」ではなく、意識的に判断することです。
水災補償は外して保険料を下げていい?
ハザードマップ次第です。自治体が公開するハザードマップで、自宅が浸水想定区域や土砂災害警戒区域に入っていないかをまず確認しましょう。リスクが低い高台のマンション上層階などでは、水災を外して保険料を抑える選択にも合理性があります。一方、少しでも浸水想定がある地域で外すのは慎重に。水災の被害は金額が大きくなりやすく、外した部分は貯蓄で受け止めることになります。「保険料が安くなるから」だけで判断しないのがポイントです。
昔の契約のまま。古い契約は損?
一概に損とは言えず、両面あります。保険料の面では、近年の料率改定で新規契約の水準は上がる傾向にあるため、古い長期契約が結果的に割安なこともあります。一方、補償内容の面では注意が必要です。古い契約では建物の保険金額が現在の再建費に足りていなかったり(建築費は上がっています)、時価ベースの契約で支払いが目減りしたりすることがあります。「安いからそのまま」ではなく、保険料と補償内容の両方を点検して、続けるか見直すかを決めましょう。
賃貸の火災保険は、自分で選べる?
原則、選べます。不動産会社で案内される保険への加入が契約の条件のように見えることもありますが、多くの場合、求められているのは「借家人賠償責任などの必要な補償を備えた保険に入ること」であって、特定の商品への加入ではありません。自分で選ぶ場合は、賃貸借契約書で指定されている補償条件(借家人賠償の金額など)を満たしているかを確認したうえで切り替えましょう。念のため、切り替え前に管理会社へ一言確認しておくとスムーズです。

まとめ

  • 火災保険は住まいの総合保険。水災の有無はハザードマップとセットで判断。
  • 地震の損害は地震保険でしか備えられない。全額ではなく生活再建費の設計と知って判断を。
  • 賃貸も持ち家も「契約したまま放置」が最大の落とし穴。まず証券を1枚見るところから。
補償の過不足をチェックする
保険料も住居費の一部。住宅ローンや家賃まで含めた住まいの費用全体は、ページ下部の総合シミュレーター「おかね」で人生全体の流れとして確かめられます。
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