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資産の出口戦略

貯めた資産、
何年もつ?

資産形成には、貯める入口だけでなく「出口」があります。

運用を続けながら取り崩すと、資産の寿命は大きく延びます。

「月いくらなら何年もつか」を知れば、取り崩しは怖くありません。

資産寿命を試算する
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nash(30代エンジニア)|結婚を機にお金の勉強を始めた、いち生活者の目線でまとめています。

資産寿命、うちの場合は何年?

「貯め方」の情報はあふれているのに、「どう使っていくか」の話は意外と少ない。でも実際に老後を支えるのは、貯めた資産を何年かけて取り崩せるか=資産寿命です。

ポイントは、取り崩し中も残りの資産は運用され続けること。同じ3,000万円でも、引き出すだけの場合と運用しながら取り崩す場合とでは、もつ年数がまったく違います。スライダーで確かめてみてください。

資産寿命かんたんシミュレーション
いまの資産・毎月の取り崩し額・利回りを動かすと、資産が何年もつか(資産寿命)の目安がすぐ分かります。
いまの資産 3,000万円
500万円1億円
毎月の取り崩し額 10万円
5万円40万円
運用利回り(年) 3%
0%6%
あなたの資産寿命(目安)
約46年
運用しない場合(0%) 25年
運用による延命効果 +21年
月7.5万円(資産×利回り÷12)までなら、計算上は元本が減らないペースです。
この試算の限界:実際の市場は毎年一定には増えず、大きく下がる年もあります。特に取り崩し初期に下落が重なると、資産寿命は目安より短くなり得ます。あくまで「利回りが毎年一定」と仮定した概算として、余裕をもって見てください。
※ 毎月末に「資産×(1+利回り÷12) − 取り崩し額」を繰り返す月次計算の概算です。税金・手数料・物価変動は考慮していません。60年を超える場合は「60年以上」と表示します。
※ 収入・年金・積立まで含めた人生全体の資産推移は、ページ下部の総合シミュレーター「おかね」で試せます。

取り崩しの2つの型——定額と定率

取り崩し方には大きく2つの型があります。どちらが正解というものではなく、管理のしやすさ長持ちのしやすさのトレードオフです。

定額取り崩し
毎月◯万円と決める
毎月の受取額が一定で、家計の管理がしやすいのが強み。一方で、相場が下がっている時期も同じ額を売ることになるため、下落時に資産の目減りが加速しやすい面があります。
定率取り崩し
残高の◯%と決める
残高に対する割合で取り崩すので、下落時は自動的に取り崩し額も小さくなり、資産が長持ちしやすいのが強み。一方で毎月の受取額が変動するため、生活費の計画は立てにくくなります。
組み合わせもアリ
「基本は定額、ただし相場が大きく下がった年は額を絞る」のように、2つの型を柔軟に組み合わせる考え方もあります。生活の土台(年金など)が別にあるほど、変動を受け入れやすくなります。

有名な「4%ルール」の正体

取り崩しの話でよく出てくるのが「年4%ずつ取り崩せば資産は長持ちする」という4%ルール。出どころは、米国トリニティ大学の3人の教授(Cooley・Hubbard・Walz)が1998年に発表した研究、通称「トリニティスタディ」です(考え方の源流は1994年のベンゲンの研究)。

内容は、1926〜1995年の米国の株式・債券データを使い、「毎年、当初資産の4%(インフレ調整あり)を取り崩したら、資産が何%の確率で尽きずに残ったか」を過去のあらゆる期間で検証したもの。株式を半分以上組み入れたポートフォリオでは、30年間で資産が尽きなかった割合が95%前後以上という結果でした。

ここが大事:4%は「保証」ではない
この研究は米国市場の、過去のデータが前提です。日本で暮らし、円で使い、これからの市場を生きる私たちに、そのまま当てはまる保証はありません。「4%なら安心」と鵜呑みにするのではなく、目安のひとつとして参考にしつつ、自分の資産額・生活費・利回り想定で試算し直すのが誠実な使い方です。上のシミュレーターは、まさにそのための道具です。

出口で効く、3つの工夫

同じ資産額でも、取り崩し方の工夫で手取りや資産寿命は変わります。代表的な3つを押さえておきましょう。

1
取り崩す「順番」を考える
複数の口座があるなら、課税口座から先に取り崩し、NISAなどの非課税口座は後に温存する考え方が一般的です。非課税で増える時間を最大限使えるからです。当サイトの総合シミュレーターも「課税口座 → NISA → iDeCo」の順で取り崩す設計になっています。
2
年金の受給開始と組み合わせる
年金の受給開始を繰り下げると受給額は増えますが、その間の生活費は自分で賄う必要があります。繰下げ期間の「つなぎ」として資産を取り崩すのは、取り崩しの代表的な使いどころのひとつ。増えた年金は生涯続くので、長生きへの備えにもなります。
3
下落時は取り崩しを一時的に絞る
相場が大きく下がった年に同じ額を売ると、安値で口数を多く手放すことになり、回復の恩恵を受けにくくなります。下落時は取り崩し額を一時的に減らす・現金クッションでしのぐといった柔軟性を持てると、資産寿命は延びやすくなります。

よくある質問

利回り何%で試算するのが現実的?
将来の利回りは誰にも分かりません。取り崩し期は資産形成期よりリスクを抑えた運用に移すのが一般的なので、積立期によく使われる5%前後より控えめに、0〜4%程度の幅で複数パターンを試すのがおすすめです。「3%ならもつが0%だと足りない」のように、利回り次第で結論が変わるかどうかを確認しておくと、運用を続ける意味が具体的に見えてきます。
取り崩し中に暴落が来たらどうする?
取り崩しでは「いつ下落が来るか」が結果を大きく左右し、特に取り崩し始めの数年に暴落が重なるケースが最も資産寿命を縮めやすいと言われます。備えとしては、①生活費1〜2年分程度の現金クッションを持ち、下落時は現金から使う、②取り崩し額を一時的に絞る、③定率型を取り入れる——といった方法があります。慌てて全部売って現金化してしまうと、その後の回復の恩恵を受けられなくなる点には注意が必要です。
NISAを取り崩すとき、税金はかかる?
かかりません。NISA口座内の売却益は非課税なので、いつ・いくら売却しても税金はゼロです(確定申告も不要)。一方、課税口座の売却益には約20%の税金がかかります。この差があるからこそ、「課税口座から先に取り崩し、NISAは後に温存する」順番が効いてきます。
退職金も同じ考え方で取り崩していい?
基本の考え方(運用しながら少しずつ使う・順番と柔軟性を意識する)は同じです。ただし退職金は受け取り方(一時金か年金形式か)で税金が大きく変わるため、受け取る前の設計がとくに重要です。まとまった額を一度に受け取ると気が大きくなりやすいので、「まず生活防衛分を確保し、残りを計画的に」が鉄則。詳しくは退職金の記事でどうぞ。
取り崩しはいつから始めるもの?
決まった年齢はありません。典型的なのは、①退職から年金受給開始までの「つなぎ」として始める、②年金だけでは足りない分の補填として始める、の2パターンです。大事なのは開始時期そのものより、「この取り崩しペースなら何歳まで資産がもつか」を先に確認しておくこと。想定より長生きしても大丈夫か、という視点で余裕を持たせておくと安心です。

まとめ

  • 資産寿命は「運用しながら取り崩す」ことで大きく延びる。まず自分の数字で試算を。
  • 4%ルールは米国の過去データに基づく目安。保証ではなく、自分の前提で計算し直す。
  • 出口で効くのは順番(非課税は後)・年金との組み合わせ・下落時の柔軟性の3つ。
資産寿命を試算する
あなたの人生全体での資産寿命は、総合シミュレーター(おかね)が収入・年金・積立まで含めて自動計算します——枯渇年齢が表示されたら、取り崩し額や働き方を調整するサインです。
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