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副業とお金のきほん

副業の税金、
いくら引かれる?

副業の税金は、収入そのものではなく「収入 − 経費 = 所得」にかかります。

そして本業の税率が高い人ほど、副業の税負担も重くなります

手取りがいくら残るかを知ってから始めると、計画が立てやすくなります。

副業の手取りを試算する
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nash(30代エンジニア)|結婚を機にお金の勉強を始めた、いち生活者の目線でまとめています。

副業の手取り、いくら残る?

副業の税金は「月いくら稼ぐか」だけでは決まりません。経費を引いた所得に、本業の収入で決まる税率が上乗せでかかる——この2つを押さえると、手元に残る金額が見えてきます。まずは自分の数字で動かしてみてください。

副業の手取りかんたんシミュレーション
副業の月収・経費の割合・本業の年収を動かすと、税金でいくら引かれ、年間で手元にいくら残るかがすぐ分かります。
副業の月収 5万円
1万円30万円
経費の割合 20%
0%50%
本業の年収(額面) 450万円
300万円1,000万円
年間の副業収入 60万円
経費 12万円
所得(収入 − 経費) 48万円
適用税率の目安 20%
税金の目安(所得税+住民税)
9.6万円
年間の手取りの目安
38.4万円
本業の年収が高い人ほど税率の区分が上がり、同じ副業収入でも手取りは少なくなります。逆に言えば、手取りベースで目標を立てると現実的な計画になります。
※ 本業の年収から課税所得を簡易換算(年収×0.7)して所得税の税率区分(5〜33%)を推定し、住民税10%を足した「限界税率」を副業の所得に掛けた概算です。各種控除・家族構成・副業所得による税率区分の変動は反映していません。実際の税額とは異なります。
※ 会社員の副業が雑所得にあたる場合、社会保険料は原則として本業の給与のみにかかりますが、副業先でも雇用される場合など、働き方によっては追加でかかることがあります。

「20万円ルール」の正しい理解

「副業20万円以下なら申告不要」とよく言われますが、正確に理解している人は多くありません。3つのポイントを押さえておきましょう。

① 「収入」ではなく「所得」で判定
給与を1か所から受けている会社員の場合、副業の所得(収入 − 経費)が年20万円以下なら、所得税の確定申告は不要とされています。収入が20万円を超えていても、経費を引いた所得が20万円以下なら対象です。
② 住民税の申告は別途必要
ここを勘違いしやすいのですが、20万円ルールは所得税だけの話。住民税にはこのルールがなく、確定申告をしない場合は市区町村への住民税の申告が別途必要です。確定申告をすれば住民税側にも情報が届くため、住民税の申告は不要になります。
③ 確定申告するなら全部申告
医療費控除やふるさと納税(ワンストップ特例を使わない場合)などで確定申告をするなら、20万円以下でも副業分をすべて申告する必要があります。「申告するなら全部、しないなら住民税だけ別途」と覚えておくと整理しやすいです。
※ 給与を2か所以上から受けている場合など、条件によって扱いは変わります。詳細は国税庁の公式情報や税務署でご確認ください。

雑所得?事業所得?どっちになる?

副業の所得は、多くの場合「雑所得」か「事業所得」のどちらかに区分されます。どちらになるかで、使える制度が変わってきます。

雑所得
・小規模・副次的な副業の多くはこちら
・申告は比較的シンプル(帳簿づけの義務が軽い)
・青色申告特別控除は使えない
・赤字が出ても給与など他の所得と相殺できない
事業所得
反復・継続して事業として営む場合
・青色申告なら特別控除(最大65万円)が使える
・赤字を他の所得と損益通算できる可能性がある
・帳簿づけ・書類保存など手間は増える
判定の現行ルール(2022年の通達改正)
どちらに当たるかは、規模や反復継続性など「社会通念上、事業といえるか」で判断されます。2022年に国税庁の通達が改正され、帳簿書類の記帳・保存があれば、原則として事業所得と扱われやすいという整理になりました(当初案の「収入300万円以下は原則雑所得」は、意見公募を経てこの形に修正されています)。逆に帳簿の保存がない場合、収入300万円以下ならおおむね雑所得と判断されます。ただし帳簿があっても、収入が僅少・営利性がない場合などは個別に判断されます。迷ったら税務署や税理士に確認するのが確実です。
青色申告特別控除のきほん:事業所得として青色申告する場合、複式簿記で記帳し貸借対照表などを添えて期限内申告すると55万円、さらにe-Tax申告か優良な電子帳簿保存の要件を満たすと65万円、簡易な記帳なら10万円が所得から控除されます。利用には開業届と、青色申告承認申請書の期限内提出が必要です。

副業収入を家計に活かす順番

副業収入は増減しやすい「変動収入」です。使い方の順番を決めておくと、収入が途切れたときにも家計が揺らぎません。

1
生活水準に組み込まない
副業収入をあてにして固定費を増やすと、収入が減ったときに家計が苦しくなります。生活費は本業の手取りでまかない、副業分は「上乗せ」として扱うのが基本です。
2
まず生活防衛費をつくる
いざというときに使える現金の備えがまだ十分でないなら、副業の手取りはまずここへ。目安の金額と考え方は生活防衛費の記事で解説しています。
3
余剰はNISAで運用に回す
防衛費が確保できたら、余剰分はNISAなどの運用へ。もともと生活費に入っていないお金なので、積立に回しやすいのが副業収入の強みです。
4
本業の年収アップも並行して考える
収入の土台はあくまで本業。副業で得たスキルは昇給や転職の材料にもなります。生涯でどれだけ差がつくかは年収アップの記事で試算できます。

よくある質問

副業は会社に知られる?
よく話題になるのは住民税の徴収方法です。副業分の住民税が本業の給与から天引き(特別徴収)されると、金額の変化から把握される可能性があります。確定申告や住民税申告の際に、副業分(給与以外の所得)を「自分で納付(普通徴収)」にできる場合がありますが、取り扱いは自治体や所得の種類によって異なります。前提として、まず勤務先の就業規則で副業が認められているかを確認し、必要なら会社に相談しておくのが安全です。
開業届は出すべき?
事業として継続的に営むなら、開業から1か月以内に税務署へ提出することとされています(提出しなくても罰則はありません)。青色申告特別控除を使いたい場合は、開業届に加えて「青色申告承認申請書」を期限内に出しておく必要があります。一方、小規模で雑所得にあたる副業なら開業届は不要です。まず様子を見て、事業として本格化したタイミングで出す、という進め方でも遅くありません。
経費はどこまで認められる?
基本の考え方は「その収入を得るために直接必要な支出」です。仕事に使う道具や材料、通信費、打ち合わせの交通費などが典型例。自宅の家賃や電気代のように私生活と共用のものは、仕事に使う割合分だけを按分して計上します(家事按分)。プライベートの支出を経費にすることはできません。判断に迷う支出は領収書を残しておき、税務署や税理士に確認するのが確実です。
赤字になったらどうなる?
雑所得の赤字は、給与など他の所得と相殺(損益通算)できません。その年の副業がマイナスなら、副業分の税金がゼロになるだけです。事業所得なら損益通算できる可能性がありますが、実態が伴わないのに赤字の相殺だけを目的に事業所得として申告すると、否認されるリスクがあります。区分は節税のためでなく実態で決まる、と考えておくのが安全です。
インボイス制度は関係ある?
インボイスは消費税の仕組みで、所得税とは別の話です。関係してくるのは、取引先が事業者で、適格請求書(インボイス)の発行を求められる場合。登録すると消費税の申告・納税義務が生じるため、売上規模や取引先の意向とのバランスで判断します。個人向けの販売や、雇用契約で給与を受け取る副業なら、基本的に関係は薄いと考えてよいでしょう。

まとめ

  • 副業の税金は「収入 − 経費 = 所得」にかかる。本業の税率が高い人ほど負担も重い。
  • 20万円ルールは「所得」ベースで所得税だけの話。住民税の申告は別途必要。
  • 手取りは生活費に組み込まず、防衛費 → NISAの順で。本業の年収アップも並行して。
副業収入を足した人生全体のお金の流れは、総合シミュレーター(おかね)の昇給率や手取りの設定で表現できます。副業込みの手取りで老後までの残高がどう変わるか、あわせて試してみてください。
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