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金利上昇にそなえる

変動金利が上がったら、
返済はいくら増える?

金利上昇の不安の正体は、多くの場合「数字を知らないこと」です。

「もし+1%になったら毎月いくら増えるか」は、残高と残期間があれば1分で試算できます

数字を知って備えができていれば、変動金利は怖がりすぎなくていい選択肢です。

うちのストレステストをする
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nash(30代エンジニア)|結婚を機にお金の勉強を始めた、いち生活者の目線でまとめています。

もし金利が上がったら、いくら増える?

2024年3月にマイナス金利政策が解除されて以降、日本銀行は段階的に利上げを進め、2026年6月には政策金利が1.00%になりました。これに連動して、多くの金融機関で変動金利の基準となる金利も引き上げられています。

この先どうなるかは誰にも分かりません。だからこそ、予想の当てっこではなく「上がったら自分の返済がいくら増えるのか」を先に知っておくのが現実的な備えです。スライダーを動かして確かめてみましょう。

金利上昇ストレステスト
いまのローン残高・残りの期間・金利に「上昇幅」を足すと、毎月の返済がいくら増えるかの目安がすぐ分かります。
ローン残高 3,500万円
500万円8,000万円
残りの返済期間 30年
5年35年
いまの金利 0.60%
0.3%2.0%
上昇幅 +1.00%
+0%+3.0%
毎月の返済はこれだけ増える
+¥16,220
年間では 約+19万円
現在の月返済(0.60% ¥106,259
上昇後の月返済(1.60% ¥122,479
増加は月1〜3万円ほど。すぐに行き詰まる水準ではありませんが、固定費の見直しなどで吸収できるか確認しておきたいところです。
※ 元利均等返済で、いまの残高・残りの期間をもとに返済額を再計算した概算です。実際の変動金利では、5年ルール(後述)などにより返済額への反映が遅れる場合があります。正確な金額は各金融機関の試算をご確認ください。
※ 「上昇幅+3%」のような大きな変化が短期間に起きるとは限りません。幅を動かして「どこまでなら耐えられるか」を知るための道具として使ってください。

5年ルール・125%ルールの正体

変動金利には、金利が上がっても返済額が急に跳ね上がらないようにする仕組みがあります。ただし、これは「支払いの免除」ではなく「後払い」。中身を正しく知っておきましょう。

5年ルール
金利が上がっても、毎月の返済額は5年間据え置き。その間は返済額のうち利息の割合が増え、元金の減りが遅くなる形で調整されます。家計が急変しないための緩衝材です。
125%ルール
5年ごとの見直しで返済額が増える場合も、直前の返済額の1.25倍が上限。月10万円なら、見直し後は最大でも12.5万円までに抑えられます。
ただし「免除」ではなく「後払い」
ルールで抑えられた分の利息が消えるわけではなく、あとに繰り延べられます。金利が大きく上がると、返済しても元金が減りにくくなったり、返済額を利息が上回る「未払利息」が生じる可能性もあります。
適用の有無は商品によって違う
5年ルール・125%ルールは、すべての住宅ローンに付いているわけではありません。元金均等返済には適用がなく、ネット銀行系などルール自体を採用していない商品もあります。自分のローンに適用があるかは、契約書や金融機関の商品説明で確認しておきましょう。適用がない商品は、金利上昇が返済額にそのまま(早く)反映される分、上のストレステストの結果に近い動きになります。

金利が上がったときの3つの備え

試算で「増える額」が見えたら、次は備えです。どれも金利が上がってから慌てて始めるより、余裕のあるうちに仕込んでおくほうがずっとラクです。

1
家計の余力を知っておく
毎月いくらの増加までなら吸収できるかは、家計の収支が分かっていないと判断できません。家計簿で収支をつかみ固定費を見直しておけば、それ自体が金利上昇への耐性になります。
2
繰上げ返済の原資を貯めておく
残高を減らせば、金利が上がったときの影響そのものが小さくなります。ただし手元の現金をすべて返済に回すのは危険。生活防衛資金を確保したうえで、「いざとなれば繰上げ返済に回せるお金」を別枠で育てておくのが現実的です。
3
固定への借り換えという選択肢を持っておく
「毎月いくら」を確定させたいなら、固定金利への借り換えも選択肢です。手数料や金利差で損得は変わるので、住宅ローン記事の借り換え試算で目安をつかんでから、各金融機関の試算で確認しましょう。

そもそも変動と固定、どう考える?

どちらが正解、というものではありません。選ぶ基準はシンプルで、「金利が上がっても耐えられるか」。上のストレステストで出た増加額を家計が吸収できるなら変動を続ける合理性があり、吸収が難しい・毎月の額を確定させたいなら固定が向いています。

変動と固定それぞれのメリット・デメリットや、これから借りる人の考え方は住宅ローンの記事で詳しく整理しています。

よくある質問

変動金利は今後どうなる?
正直に言うと、予測はできません。変動金利は日本銀行の政策金利(短期金利)に連動する仕組みで、今後の政策は物価や賃金、経済情勢次第だからです。2024年以降は利上げが段階的に進んできましたが、このペースが続くとも、止まるとも断言できません。だからこそ「予想を当てる」のではなく、「上がった場合に自分の家計がどうなるか」を試算して備えておくのが、誰にでもできる確実な対策です。
5年ルールがあれば安心?
「急に返済額が増えない」という意味では安心材料ですが、支払いが免除されるわけではありません。据え置かれている間も利息は上がった金利で計算されていて、返済額に占める利息の割合が増え、元金の減りが遅くなります。抑えられた分は後から返す仕組みです。また、5年ルール・125%ルール自体が付いていない商品(元金均等返済や一部のネット銀行系ローンなど)もあります。まずは自分のローンに適用があるかを契約書で確認しましょう。
繰上げ返済と投資、どっちを優先すべき?
基本は「ローン金利」と「投資で期待できる利回り」の比較です。ローン金利がまだ低いなら投資に回すほうが期待値は高くなりやすい一方、繰上げ返済は「確実に利息が減る」うえ、金利上昇への耐性も上がります。投資には元本割れリスクがあることも忘れずに。金利が上がるほど繰上げ返済の「確実なリターン」は大きくなるので、金利水準に応じて配分を見直すのが現実的です。どちらか一方に全額ではなく、生活防衛資金を確保したうえで両方に振り分ける形でも構いません。
固定への借り換えのタイミングは?
「変動が上がってから乗り換えよう」と考えがちですが、固定金利は長期金利に連動して先に動く傾向があるため、変動の上昇を確認してからだと、固定もすでに高くなっていることが多い点に注意が必要です。タイミングを完璧に当てる方法はありません。判断軸は「今の固定金利で毎月の返済を確定させて、家計が成り立つか」。成り立つ水準のうちに切り替えるのが、当てにいかない現実的な考え方です。手数料も含めた損得は借り換え試算で確認しましょう。
審査金利って何?
金融機関が住宅ローンの審査をするときに使う、実際の適用金利より高めの金利のことです。変動0.5%で借りる場合でも、審査では3〜4%程度の金利で「返せるか」を確認する金融機関が多いと言われます。つまり銀行側も金利上昇を織り込んで審査しているわけです。ただし審査に通った=上昇時も家計が快適、という意味ではありません。審査は「返済できるか」を見るもので、教育費や老後資金と両立できるかまでは見てくれないからです。自分の家計基準でのストレステストは、やはり自分でやっておく価値があります。

まとめ

  • 不安の正体は「数字を知らないこと」。+1%でいくら増えるかを自分の残高で試算するのが第一歩。
  • 5年ルール・125%ルールは免除ではなく後払い。適用の無い商品もあるので契約内容の確認を。
  • 備えは家計の余力・繰上げ返済の原資・固定への借り換えの3つ。余裕のあるうちに仕込む。
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